ahamoをずっと使っていたけど、つながらないことが増えて、圏外ではないのに、ホームページが見れないなど、いわゆるパケ詰まりばかりが続いて、困り果てていました。LINE通話はできても、Facebookメッセンジャーでは通話できないということもありました。海外では、ahamoが便利で、長年のDoCoMo回線の信頼もあり、長年使い続けてきたこともあり、我慢していたのですが、2025年の秋頃に、耐えきれないほどになってきたので、なんでこんなにahamo（ドコモ回線）がつながらないのか疑問に思って、調べてみました。安定のDoCoMo回線どこいったの！？

調べた結果も踏まえて、周りで使っている人とサービスの質も検討して、いったんMNPでpovoに移動しました。といっても、ahamoのプランは気に入っているので、この不調が、解消したら戻りたいと思っています。ただ、不調が改善したことをどうやって知るのかわからないな、と思っています。

音声概要 ▶ ahamoが繋がらない理由ドコモの構造的課題.mp3

音声解説を聞いてから読むと、理解しやすいです。

ahamo（ドコモ）が繋がりにくくなった理由の要約

ahamoが繋がりにくい原因は、ahamo独自の不具合ではなく、その基盤であるNTTドコモのネットワーク全体が抱える「構造的な問題」にあります。主な理由は以下の通りです。

1. 5G戦略の「選択と集中」の裏目

ドコモは「速さ」を重視し、高い周波数帯（瞬速5G）の展開を優先しました。しかし、この電波は「障害物に弱く、遠くまで届きにくい」という性質があります。

• 他社との違い： auやソフトバンクは、既存の4G電波を5Gに転用して「つながるエリア」を素早く広げましたが、ドコモはこの対応が遅れたため、電波の届かない「点」の集合のようなネットワークになってしまいました。

2. コロナ明けの「人流回復」と予測のズレ

コロナ禍が終わり、人々が都市部や電車内に戻ってきたことで、特定の場所での通信量が急激に増えました。

• パケ詰まりの発生： ドコモはリモートワークが続くと予測していましたが、実際には通勤ラッシュや主要駅での利用が爆発的に増加。4Gネットワークの容量が限界を超え、アンテナは立っているのに通信できない「パケ詰まり」が多発しました。

3. ネットワークの切り替え（ハンドオーバー）の失敗

5Gと4Gが混在するエリアで、スマホが「不安定な5G」を掴み続けようとして、結果的に通信が途切れるという制御（チューニング）不足も大きな要因でした。

4. 競合他社の躍進による「相対的な低下」

ドコモが苦戦している間に、auやソフトバンクはAIによる最適化やプラチナバンドの活用で品質を大きく向上させました。第三者機関の調査でも、ドコモは「通信速度」では首位でも、「動画やゲームの快適さ」という実用面で他社に遅れをとる結果が出ています。

今後の展望：いつ改善するのか？

ドコモは現在、数百億円規模の集中投資による改善計画を進めています。

• 対策内容： 渋谷・新宿などの主要駅（点）と、山手線などの主要路線（線）を重点的に強化。SNSの声や「d払い」の決済データを利用して、繋がりにくい場所をピンポイントで特定・修正しています。

• 時期の目安： 最悪期は脱したとされていますが、ユーザーがはっきりと改善を体感できるのは2025年4月頃からと予測されており、2026年までかけて全国的な品質底上げが行われる見通しです。

ユーザーができること

繋がりにくいと感じた時は、以下の操作で一時的に改善する場合があります。

• 機内モードのオン・オフ（最適な基地局に繋ぎ直す）

• 端末の再起動

• 4G設定への固定（不安定な5Gを拾わないようにする）

Ahamoが日本で繋がりにくくなったのは、なぜ？

Ahamo接続性問題の深層分析：NTTドコモの通信品質低下と回復への道程

第1章：問題の核心：NTTドコモの通信品質低下の構造的要因

NTTドコモのオンライン専用プランであるAhamoの通信品質は、その母体であるNTTドコモのネットワーク性能と不可分に結びついている。したがって、Ahamoユーザーが体感する「繋がりにくさ」は、Ahamo固有の問題ではなく、NTTドコモのネットワーク全体が直面しているより深刻な課題の表層的な現れである。特に2023年初頭から顕在化したこの品質低下は、単なる一時的な不具合ではなく、同社の5G展開戦略、トラフィック需要の予測、そしてネットワーク最適化の各側面に根差した構造的な問題に起因する 1。本章では、この「繋がりにくさ」という症状の背後にある根本原因を、戦略的、技術的観点から多角的に解剖する。

1.1 戦略的判断の誤算：高周波数帯「瞬速5G」への過度な注力

NTTドコモの初期5G展開戦略は、Sub6（$3.7GHz$帯、$4.5GHz$帯）やミリ波（$28GHz$帯）といった新規割り当ての高周波数帯を利用した「瞬速5G」の実現を最優先に掲げていた 3。この戦略は、理論上の最大通信速度という点では魅力的であったが、現実世界の利用環境における深刻な脆弱性を内包していた。

高周波数帯の電波は、高速・大容量通信に適している一方で、物理的特性として直進性が高く、建物や地下街などの障害物による減衰が大きいという致命的な弱点を持つ 3。これにより、ドコモの5Gネットワークは、理想的な条件下では高速通信が可能であるものの、多くのユーザーが日常的に利用する屋内や移動中の環境では安定性を欠く「点」の集合体となり、面的なカバレッジを確保できなかった。

さらに、競合他社が既存の4G周波数帯を5Gに転用し、迅速に広範なカバレッジを構築する戦略を採ったのに対し、NTTドコモはこのアプローチで後れを取った 8。この4G周波数転用は、一部で「なんちゃって5G」と揶揄されることもあったが、au（KDDI）やソフトバンクにとっては、ユーザー体感を損なうことなくシームレスな5Gエリアを拡大するための現実的かつ効果的な手段であった 10。ドコモの戦略的遅延は、同社の5Gネットワークを高速通信が可能な「島」の寄せ集めに留め、結果として、逼迫しつつある4Gネットワークへの依存度を不必要に高めることになった。

1.2 キャパシティ危機：コロナ禍後の世界における「パケ詰まり」の蔓延

ユーザーが最も直接的に体感した品質低下の症状は、「パケ詰まり」と呼ばれる現象であった。これは、スマートフォンのアンテナ表示は十分に立っているにもかかわらず、データ通信が極端に遅くなる、あるいは完全に停止する状態を指す 12。この問題は、複数の要因が複合的に絡み合うことで発生した。

最大のトリガーは、コロナ禍が明け、人々がオフィスや公共交通機関へと回帰したことによるトラフィックパターンの急激な変化であった。特に、通勤ラッシュ時の電車内や主要ターミナル駅といった特定の場所に、膨大なデータ通信需要が集中するようになった 14。これに加えて、動画ストリーミングなどの大容量コンテンツの消費を促す無制限プランの普及が、ネットワークへの負荷をさらに増大させた 15。

NTTドコモのネットワークインフラ、特に4Gネットワークと、屋内などで利用されやすい$800MHz$帯などの特定の周波数帯は、こうした新たな形態の超集中的なトラフィック需要を処理するようには設計されていなかった。結果として、ネットワークのキャパシティ（容量）が需要に追いつかず、深刻な輻輳（ふくそう）を引き起こした 13。ドコモ自身も、リモートワークの継続を前提としたトラフィック予測が実態と乖離していたことを認めており、キャパシティプランニングの失敗が品質低下の直接的な原因であったことを示唆している 14。

1.3 ネットワーク最適化とチューニングの遅滞

問題は単なるキャパシティ不足に留まらなかった。利用可能なネットワークリソースを効率的に管理する運用の側面にも課題があった。

特に、5Gと4Gネットワーク間のハンドオーバー（切り替え）制御が非効率であったことが指摘されている。5Gエリアの境界付近（セルエッジ）では、端末が不安定な5G電波を掴み続けようとすることで、かえって通信品質が劣化する事象が発生した 5。

ドコモの経営陣は、急変するトラフィックパターンや都市の再開発に対応するためのエリアチューニングが不十分であったことを認めている 15。また、ビルオーナーとの交渉の難航などにより、最も必要とされている場所への新たな基地局設置が遅れたことも、キャパシティ増強の足枷となった 15。Ahamoの接続性問題は、Ahamoというサービス自体の欠陥ではなく、その根幹をなすNTTドコモのネットワークアーキテクチャ全体に内在する脆弱性が露呈した結果である。高周波数帯に賭けた5G戦略が、ユーザーの行動様式の劇的な変化という予測外の事態と衝突し、セーフティネットとして機能すべきであった4Gネットワークの脆弱性を浮き彫りにしたのである。

---

表1：Ahamo/NTTドコモ接続性問題の根本原因

カテゴリ	具体的な原因	現象	関連資料
戦略的要因	高周波数帯5G（瞬速5G）の優先展開	5Gカバレッジの限定化、4Gへの過度な依存	3
	4G周波数転用の遅れ	競合他社に対する5Gエリア展開の遅延	10
キャパシティ要因	コロナ禍後のトラフィック急増	都市部や交通機関での「パケ詰まり」	14
	無制限プランによるデータ消費量の増大	ネットワーク全体の輻輳	13
技術・運用要因	不十分なネットワークチューニング	5G/4G間の非効率なハンドオーバー	5
	基地局設置の遅延	需要の高いエリアでのキャパシティ不足	15

第2章：競争環境の変容：競合の品質向上が浮き彫りにしたドコモの凋落

AhamoおよびNTTドコモの通信品質に対するユーザーの不満は、絶対的な性能低下だけでなく、競合他社であるau（KDDI）やソフトバンクの通信品質が同時期に著しく向上したことによって、相対的に増幅された側面が強い。つまり、ドコモは真空状態で劣化したのではなく、業界全体の品質基準が向上する中で、その潮流から取り残されたのである。

2.1 客観的ベンチマークによる性能比較

第三者の専門調査機関によるデータは、この性能格差を客観的に示している。

• Opensignal社のレポート（2025年）：2025年4月および7月に発表されたOpensignal社のレポートでは、auがビデオ体感、ゲーム体感、信頼性といった総合的なユーザー体感品質を示す多くの部門で首位を獲得した。NTTドコモは「5Gダウンロード速度」で1位を確保したものの、ユーザーが日常的に重視する体感品質のカテゴリーではauに大きく水をあけられる結果となった 16。これは、理論上の最高速度と、実際の利用感との間に乖離が生じていたことを明確に示している。

• Spelldata社の調査（2025年）：2025年7月のSpelldata社の調査結果はさらに厳しいものであった。同調査では、NTTドコモは国内4キャリア中、総合品質で最下位と評価され、特に主要都市における遅延（レイテンシ）やそのばらつき（ジッター）の面で深刻な課題があると指摘された 19。

• J.D. パワー社の顧客満足度調査：一方で、2025年のJ.D. パワー社の調査では、NTTドコモは大手キャリア部門において「通信品質」を要因として総合満足度1位タイを獲得している 20。この結果は、上記の技術的ベンチマークとは一見矛盾するように見える。この矛盾は、ユーザーの認識と実際のネットワーク性能との間に存在する「ギャップ」を示唆しており、極めて重要な分析対象となる。

このデータの矛盾は、NTTドコモが長年にわたり築き上げてきた「品質のドコモ」という強力なブランドイメージに起因すると考えられる 2。多くのユーザーにとって、「繋がりやすさといえばドコモ」という認識は深く根付いており、このブランドへの信頼が顧客満足度調査の結果に影響を与えている可能性がある。しかし、OpensignalやSpelldataが示すような客観的な技術的劣位が続けば、このブランドイメージもいずれは侵食される。今回のユーザーからの「繋がりにくくなった」という問いは、まさに個人の体感が、この長年のブランドイメージという「ハロー効果」を突き破り始めた瞬間を捉えていると言える。

2.2 競合他社の戦略的優位性

auやソフトバンクが、なぜこのトラフィック急増の局面で相対的に高い安定性を維持できたのか。その背景には、より現実的かつ機動的なネットワーク戦略があった。

• 成熟した5G展開：両社は、NTTドコモよりも早期に4G周波数帯の5Gへの転用を積極的に進めた。これにより、ピーク速度では「瞬速5G」に劣る場合があるとしても、より広範で継ぎ目のない5Gカバレッジを迅速に実現し、ユーザーに安定した通信体験を提供することができた 8。

• 先進的なネットワーク管理：競合他社は、AIを活用したネットワークの自動最適化やトラフィック分散技術への投資を強化している。これにより、輻輳が発生しやすい状況でも動的にリソースを制御し、ピークタイムにおける安定性を維持することが可能となっている 23。

• 強力な周波数ポートフォリオ：特にauは、屋内や地下でも電波が届きやすい低周波数帯、いわゆる「プラチナバンド」のポートフォリオが充実しており、これが優れたカバレッジと接続安定性に貢献していると分析されている 24。

---

表2：キャリア別ネットワーク性能比較（Opensignal Japan Report, 2025年4月版）

評価項目	au (KDDI)	ソフトバンク	NTTドコモ	楽天モバイル
総合ビデオ体感 (100点満点)	73.9 (1位)	68.3 (2位)	65.1 (4位)	65.7 (3位)
総合ゲーム体感 (100点満点)	86.8 (1位)	84.2 (2位)	81.2 (4位)	82.6 (3位)
5Gダウンロード速度 (Mbps)	151.7 (2位)	134.4 (3位)	168.0 (1位)	100.9 (4位)
信頼性体感 (1000点満点)	976.1 (1位)	\-	\-	\-
注：信頼性体感は2025年7月の5G Global Awardsレポートに基づく。その他の項目は2025年4月のMobile Network Experienceレポートに基づく。出典：17

第3章：回復への道筋：NTTドコモの数百億円規模の品質改善計画

深刻な通信品質の低下とそれに伴うユーザーからの批判を受け、NTTドコモはネットワークの信頼回復に向け、大規模な投資と戦略転換を伴う包括的な品質改善計画に着手した。これは、問題が経営トップレベルで認識され、全社的な最優先課題として取り組まれていることを示している。

3.1 「点」と「線」への集中投資戦略

NTTドコモは、品質改善のための先行投資として300億円規模の予算を投じることを発表した 21。この計画は、特に問題が深刻であったエリアを「点」と「線」として捉え、集中的に対策を講じることを柱としている。

• 重点対策エリアの特定：「点」とは、渋谷、新宿、大阪、名古屋といった主要ターミナル駅や、スタジアムなどのイベント会場を含む、全国2,000ヶ所以上の特定エリアを指す。「線」とは、山手線や東海道線といった利用者の多い主要鉄道路線のことである 14。

• 具体的なキャパシティ増強：計画には具体的な数値目標が設定されている。例えば、主要商業エリアでは設備容量を最大6倍に増強し、主要鉄道路線沿いのSub6対応5G基地局数を2026年3月末までに1.2倍から1.7倍に増加させるなど、抜本的なキャパシティ増強を目指している 26。

3.2 ネットワーク強靭化のための技術的補強

投資計画は、根本的な技術的弱点を克服するための最新技術の導入によって支えられている。

• HPUE (High Power User Equipment) の導入：スマートフォンの送信電力を向上させるHPUE技術の導入は、特に電波が弱い屋内やセルエッジにおけるアップリンク性能を改善するための鍵となる施策である 7。これは、高周波数帯5Gの弱点を直接的に補うものである。

• Sub6および4G周波数転用の加速：これまでの方針を転換し、より安定したカバレッジを提供できるSub6基地局の展開を加速させるとともに、4G周波数の5Gへの転用をより積極的に進めることを明確にした。これにより、NTTドコモの5G戦略は競合他社の現実的なアプローチに近づくことになる 30。

• 先進技術の展開：渋谷のような超高密度エリアには、より多くのユーザーに同時に効率的な通信を提供するための新技術「マルチユーザMassive MIMO」を導入するなど、場所の特性に応じた最先端技術の適用も進められている 32。

3.3 品質保証の新たなパラダイム

今回の品質問題は、NTTドコモの品質管理手法にも変革を促した。従来のネットワーク中心の指標から、よりユーザーの実際の体感に近い指標へと重点を移している。

• AIによるSNS分析：NTTドコモは、独自のAIおよび大規模言語モデル（LLM）を活用し、X（旧Twitter）などのSNS上のユーザーの声をリアルタイムで分析。これにより、ユーザーからの申告を待つことなく、問題が発生しているエリアを能動的に特定し、迅速な対策を講じることが可能となった 14。

• 「d払い」アプリデータの活用：画期的なアプローチとして、決済アプリ「d払い」の匿名化された利用データを品質改善に活用している。バーコードが表示されるまでの時間を計測することで、従来のネットワーク指標では見過ごされがちだった、実際のデータ通信性能が低い場所をピンポイントで特定できるようになった 14。

この一連の回復計画は、単なる技術的なアップグレード以上の意味を持つ。特に、d払いやSNSといったユーザーの生の声や実利用データを品質管理の根幹に据えたことは、NTTドコモの組織文化における大きな転換点と言える。これは、従来の技術者主導の品質管理アプローチが、実際の顧客体験を捉えきれていなかったという事実を認め、市場からの厳しい批判を受けて顧客中心のアプローチへと舵を切ったことを示している。

---

表3：NTTドコモのネットワーク改善計画概要

施策	対象エリア／目標	タイムライン	関連資料
「点」と「線」への集中投資	全国2,000ヶ所以上の特定地点と主要鉄道路線	2023年～2026年	14
HPUE技術の導入	2025年10月末までに全国展開完了	2025年6月より順次	7
Sub6基地局の増強	主要鉄道路線で1.2倍増など	2026年3月末まで	27
AI/d払いによる品質監視	リアルタイムでのユーザー体感品質分析	2024年1月より開始	14

第4章：ユーザーの視点：接続問題への対処法

Ahamoの接続問題の根本原因はネットワークレベルにあるが、ユーザー側で対処可能な問題も存在する。本章では、大規模なネットワーク障害と、より局所的、あるいは端末固有の問題とを切り分け、ユーザー自身が実行可能な実践的対処法を体系的に解説する。

4.1 基本的なトラブルシューティングのフレームワーク

接続不良に遭遇した場合、以下の手順を順に試すことで、多くの問題が解決、あるいは原因の切り分けが可能となる。

• 基本的なリセット操作：まず試すべきは、「機内モード」のオン・オフ切り替えと、端末の再起動である。これにより、端末が最適な基地局に再接続されたり、一時的なソフトウェアの不具合が解消されたりすることがある 34。

• ネットワーク設定の確認（機種別）：

• iPhoneの場合：過去に利用していた他社キャリアの「構成プロファイル」が残っている場合は削除する。また、「設定」\>「モバイル通信」\>「通信のオプション」\>「音声通話とデータ」で「VoLTE」がオンになっていることを確認する。最終手段として、ネットワーク設定のリセットも有効だが、eSIMを利用している場合はプロファイルが削除される可能性があるため注意が必要である 36。

• Androidの場合：「VoLTE」（「4G回線による通話」などと表示される場合もある）が有効になっているかを確認する。APN（アクセスポイント名）設定が正しいかも確認すべき点である。こちらも同様に、ネットワーク設定のリセットが有効な場合がある 34。

• SIM/eSIMの確認：物理的なSIMカードは接触不良を起こすことがあり、eSIMはプロファイルが破損することがある。物理SIMの抜き差しや、eSIMの再ダウンロードで問題が解決する場合がある 34。

• 公式情報の確認：詳細なトラブルシューティングを行う前に、必ずAhamoやNTTドコモの公式サイトを確認し、「障害情報」や「メンテナンス情報」が掲載されていないかを確認することが重要である。大規模な障害が発生している場合、ユーザー側の対処では解決しない 12。

4.2 環境および利用状況に起因する要因の理解

個々の通信品質は、NTTドコモのネットワーク状態だけでなく、ユーザーを取り巻く環境や利用方法によっても大きく左右される。

• 場所と環境：高層ビルの中心部、地下街、山間部などは、どのキャリアであっても電波が届きにくい場所である。室内で繋がりにくい場合は、窓際に移動する、あるいは上の階に移動することで改善することがある 34。

• 時間帯と混雑：第1章で詳述した通り、朝夕の通勤ラッシュや昼休みなど、人が密集する時間帯と場所では通信速度が低下しやすい。データ通信量の多い作業は、これらのピークタイムを避けることで快適性が向上する 12。

• データ容量の超過：Ahamoの基本プランでは、月間のデータ容量（例：20GB）を使い切ると、通信速度が最大$1Mbps$に制限される。月の後半に急に遅くなったと感じる場合は、データ容量の超過が最も可能性の高い原因である 12。

• 端末の対応周波数帯：近年の国内向けスマートフォンでは稀だが、海外モデルや古い機種を使用している場合、NTTドコモが利用する特定の周波数帯（バンド）に完全に対応しておらず、性能を最大限に発揮できないことがある 12。

---

表4：ユーザートラブルシューティング・チェックリスト

ステップ	アクション	期待される結果
1	公式サイトで障害・メンテナンス情報を確認	大規模障害の有無を確認し、無駄な対処を避ける
2	機内モードのオン・オフ	ネットワークへの接続をリセットする
3	端末の再起動	一時的なソフトウェアの不具合を解消する
4	ネットワーク設定の確認（VoLTE, APNなど）	端末の通信設定が正しい状態かを確認・修正する
5	データ使用量の確認	速度制限が原因でないかを確認する
6	SIMカードを別端末で試す	問題が端末側にあるのか、SIM/回線側にあるのかを切り分ける

第5章：結論と展望：「品質のドコモ」は復活するか？

本レポートの分析を総括し、ユーザーの「Ahamoが日本で繋がりにくくなったのは、なぜ？」という問いに対する最終的な回答を提示するとともに、NTTドコモがかつての高品質なサービスを取り戻せるかについての将来展望を述べる。

5.1 回復の評価：初期の兆候と今後の予測

• 初期の進捗：NTTドコモは、品質改善計画の初期成果として、重点対策エリアにおける平均スループットが1.7倍に向上し、SNS上でのネガティブな投稿が2023年末から2024年初頭にかけて75～80%減少したと報告している 1。これは、対策が一定の効果を上げ始めていることを示している。

• 「認識と現実」のギャップ：しかし、これらの公式発表にもかかわらず、多くのユーザーや業界専門家からは懐疑的な声も上がっている。改善がまだ全国的に体感できるレベルには至っておらず、また「非常に低い速度が1.7倍になっても意味がない」といった辛辣な指摘も見られる 1。現状は、最悪期は脱したものの、回復はまだ道半ばであるというのが客観的な評価であろう。

• 体感改善のタイムライン：NTTの社長自身が、ユーザーが改善を明確に「体感」できるようになるのは2025年4月頃からとの見通しを示しており、計画全体は2026年まで続く 21。これは、品質回復が即座に完了するものではないという現実的な期待値を示している。

5.2 Ahamoユーザーへの最終的な見解

• 問いへの直接的な回答：「Ahamoが繋がりにくくなった」のは、紛れもない事実である。その根本原因は、母体であるNTTドコモの5G展開戦略における判断の誤りと、コロナ禍後のトラフィック需要予測の失敗に起因する、構造的なキャパシティ不足とネットワーク最適化の遅れにある。この問題は、競合他社の品質向上が著しかったために、より深刻なものとしてユーザーに認識された。

• 問題は解決したか：解決していない。しかし、大規模かつ包括的な回復計画が本格的に進行中である。危機の最悪期は過ぎ去ったと考えられるが、特に混雑する都市部における不安定な通信は、アップグレードが完了する2025年を通じて断続的に続くと予想される。

• 推奨事項：

• 既存ユーザーへ：利用エリアが超高密度の都心部以外である場合、通信品質は今後着実に改善していく可能性が高い。問題が頻発する「点」や「線」のエリアを日常的に利用するユーザーは、もうしばらくの忍耐が必要となるが、改善は約束されている。それまでの間、第4章で示したトラブルシューティングを実践することが重要である。

• 新規契約を検討中のユーザーへ：現時点でのAhamoへの乗り換えは、ある種の計算されたリスクを伴う。料金プランは依然として競争力があり、ネットワーク品質も上向きの軌道にある。しかし、今日この瞬間における絶対的な通信の安定性を最優先するならば、客観的なユーザー体感指標で現在リードしているauやソフトバンクがより安全な選択肢となる可能性がある。最も賢明なアプローチは、2025年後半から2026年初頭にかけて、NTTドコモのネットワークが競合他社に対してどの程度品質を回復したかを再評価した上で、最終的な判断を下すことだろう。

引用文献

1. 通信品質は本当に改善したのか？ ポジティブな話題が少ない「ドコモのいま」：房野麻子「モバイル新時代」（1/3 ページ） \- ITmedia NEWS, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2403/01/news163.html

1. なぜあのドコモが通じづらくなったのか…5Gへの移行で”著しい品質低下”が起きた3つの理由 AIブームで通信会社がさらにダメージを負うワケ \- プレジデントオンライン, 10月 20, 2025にアクセス、 https://president.jp/articles/-/94682?page=1

1. ドコモの「瞬速5G」今夏に大規模エリア拡大できるワケを担当者に聞いた \- ケータイ Watch, 10月 20, 2025にアクセス、 https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/interview/1331636.html

1. 5G | 通信・エリア \- NTTドコモ, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.docomo.ne.jp/area/technology/5g/

1. ドコモ 5Gのさらなる進化に関する説明会, 10月 20, 2025にアクセス、 http://ngt.idc.nttdocomo.co.jp/20211213\_01.pdf

1. NTTドコモ5Gエリアのカバー率は？最新情報と活用法（2025年最新） \- EMEAO\!, 10月 20, 2025にアクセス、 https://emeao.jp/ikkatsu-column/ntt\_docomo\_5g\_coverage/

1. 5G電波が届きにくい場所でも、ハイパワーでつなぐドコモの先進技術, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.docomo.ne.jp/area/nwpr/feature\_article07/

1. 【初心者向け】5Gの周波数帯「ミリ波」・「Sub6」・「4G周波数帯の転用」についてわかりやすく解説, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.doracoon.net/navi/solutions/solutions-2721/

1. 4G周波数の転用は「なんちゃって5G」なのか｜yutakusto \- note, 10月 20, 2025にアクセス、 https://note.com/yutakusto/n/nb9268c48dd80

1. とうとうドコモも4G周波数の5G転用を開始、今年春から \- マイネ王, 10月 20, 2025にアクセス、 https://king.mineo.jp/reports/168291

1. ドコモ、4G（LTE）用周波数帯を5Gに転用してサービス提供へ \- アプリオ, 10月 20, 2025にアクセス、 https://appllio.com/news/2022-03-14-24676-docomo-4gband-divert-5gband

1. ahamoの通信速度は遅い？ドコモとの速度比較や遅い原因を解説 \- ロケットモバイル, 10月 20, 2025にアクセス、 https://rokemoba.com/smartphone/ahamo-communication-speed/

1. なぜドコモの通信品質が悪化しているのか、｢パケ詰まり｣現象の原因と解決策 | コウシングループ, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.koushin.co.jp/archives/15124

1. “計画通りに進んだ”ドコモの通信品質改善、キーパーソンが見せた自信 \- ケータイ Watch, 10月 20, 2025にアクセス、 https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1566148.html

1. ドコモが語る「5G」の課題と未来、質疑は「品質低下」に集中 \- ケータイ Watch, 10月 20, 2025にアクセス、 https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1496809.html

1. 体感品質で「auが圧倒」 Opensignalが国内通信品質レポートを発表 \- ビジネスネットワーク, 10月 20, 2025にアクセス、 https://businessnetwork.jp/article/27212/

1. 5G Global Mobile Network Experience Awards 2025 \- Opensignal, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.opensignal.com/2025/09/30/5g-global-awards-2025/dt

1. Japan, April 2025, Mobile Network Experience Report | Opensignal, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.opensignal.com/reports/2025/04/japan/mobile-network-experience/dt

1. 携帯4社の通信品質を科学的に比較 2025年7月度モバイル回線品質調査レポートを公開, 10月 20, 2025にアクセス、 https://spelldata.co.jp/press\_release/2025-08-14.html

1. 携帯電話サービス、一部で通信品質の満足度低下。料金プランの値上げにはシビアな姿勢も３割超のユーザーが100～300円程度の値上げは許容【J.D. パワー 2025年携帯電話サービス顧客満足度調査 】 \- PR TIMES, 10月 20, 2025にアクセス、 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000365.000042677.html

1. NTTドコモの通信品質向上、4月に実感か \- PreBell, 10月 20, 2025にアクセス、 https://prebell.so-net.ne.jp/news/pre\_25021203.html

1. 「つながらないソフトバンク」の汚名を見事に返上、通信品質の評価が急上昇した背景 \- 佐野正弘のケータイ業界情報局(111), 10月 20, 2025にアクセス、 https://news.mynavi.jp/article/mobiletopics-111/

1. スマホ大手4社、外出時どこがつながりやすい？ ソフトバンク圧勝も…KDDI、ドコモも持ち味 調査担当者に理由を聞いた \- J-CAST ニュース, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.j-cast.com/2025/02/14501620.html?p=all

1. 【2025年最新】法人携帯はドコモ・au・ソフトバンクどれが繋がりやすい？徹底比較ガイド！, 10月 20, 2025にアクセス、 https://emeao.jp/ikkatsu-column/%E3%80%902025%E5%B9%B4%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%80%91%E6%B3%95%E4%BA%BA%E6%90%BA%E5%B8%AF%E3%81%AF%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%A2%E3%83%BBau%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF/

1. 点」と「線」の集中対策で通信品質改善へ \- ドコモが通信品質改善の取り組みについての説明会を開催 | マイナビニュース, 10月 20, 2025にアクセス、 https://news.mynavi.jp/article/20231010-2789702/

1. 2025年度 ドコモの通信改善 取組み宣言 | 通信・エリア \- NTTドコモ, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.docomo.ne.jp/area/nwpr/manifesto/

1. NTTドコモ、通信品質の改善へ取組み宣言を公開 \- blog of mobile, 10月 20, 2025にアクセス、 http://blogofmobile.com/article/172049

1. NTT島田社長、ドコモの通信品質改善に「基地局増設、前倒しへ」 \- ケータイ Watch, 10月 20, 2025にアクセス、 https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/2037361.html

1. NTTドコモが通信速度向上で不満が40％減少！基地局数は2024年3月末比で20％増。スマホの送信電力高出力化技術「HPUE」導入で体感品質向上へ \- S-MAX, 10月 20, 2025にアクセス、 https://s-max.jp/archives/1836259.html

1. ドコモ、つながりやすさ対策強化へ Sub6/4G転用周波数あわせて増強 \- ケータイ Watch, 10月 20, 2025にアクセス、 https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1637572.html

1. ドコモは新料金プランで反転攻勢へ、通信品質1位の目標を「なかったことにするつもりはない」 決算会見で語られたこと（2/3 ページ） \- ITmedia Mobile, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2505/10/news072\_2.html

1. 渋谷・原宿エリアの通信品質改善に向けた取組み \- NTTドコモ, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.docomo.ne.jp/area/nwpr/article06/

1. ドコモの通信品質改善は「90％以上完了」、アプリを活用した新たな改善策も \- ビジネスネットワーク, 10月 20, 2025にアクセス、 https://businessnetwork.jp/article/18654/

1. ahamoが繋がらない原因と改善策を徹底解説！ \- SIMチェンジ, 10月 20, 2025にアクセス、 https://simchange.jp/post-200438/

1. ahamoは電波が悪いとされる原因を解説！改善策&電波に関する口コミもご紹介します。, 10月 20, 2025にアクセス、 https://book.mynavi.jp/ashita\_magazine/ahamo-signal/

1. ahamoにプラン変更した直後に圏外表示となり繋がらない場合、どうすればいいですか？, 10月 20, 2025にアクセス、 https://faq.ahamo.com/faq/show/253?category\_id=23\&site\_domain=default

1. 操作/設定/故障 | よくあるご質問 | ahamo, 10月 20, 2025にアクセス、 https://faq.ahamo.com/category/show/6?site\_domain=default

1. ahamoの通信速度は遅い？他社比較や速度制限/遅い時の対処法も解説！ | モバイルDASH, 10月 20, 2025にアクセス、 https://pixela.co.jp/mobiledash/ahamo-communication-speed/

1. 重要なお知らせ（通信障害等） \- NTTドコモ, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.docomo.ne.jp/info/network/

1. お知らせ \- ahamo, 10月 20, 2025にアクセス、 https://ahamo.com/news/index.html

1. ドコモ home 5Gで通信障害が発生？疑われる場合の情報収集と対策方法, 10月 20, 2025にアクセス、 https://itx-home-router.com/article/communication-failures/

1. ahamo(アハモ)の格安SIMカードの評判・利用レポート \- 価格.com, 10月 20, 2025にアクセス、 https://kakaku.com/mobile\_data/sim/report/?si\_companycd=11

1. ahamoの評判悪いってマジ？2年以上使ってる私がデメリットをぶっちゃけてみた | モバイルDASH, 10月 20, 2025にアクセス、 https://pixela.co.jp/mobiledash/ahamo-demerit/

1. ahamoの悪い評判とデメリットを正直に解説！利用者の口コミまとめ \- ショーケース, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.showcase-tv.com/sim/ahamo/

1. 「つながらないドコモ」の声に終止符を。通信改善に「別班」投入する前田社長の秘策, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.businessinsider.jp/article/2506-ntt-docomo-improving-network-quality/

1. ドコモの通信品質は本当に改善したのか？出遅れが目立つドコモと対するKDDI、ソフトバンクの5Gエリア戦略の違い \- @DIME アットダイム, 10月 20, 2025にアクセス、 https://dime.jp/genre/1750553/

1. ドコモ通信品質「25年4月」向上か NTT島田社長、「つながりやすくなる時期」について見解（要約）, 10月 20, 2025にアクセス、 https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2502/07/news159.html